義歯・入れ歯
入れ歯・義歯そのものは歴史も古く、特に保険の入れ歯・義歯は何十年も大きな変化はありません。インプラントと比較して、外科処置の必要もなく安全で、完成にもそれほど時間を要しません。
保険の場合、使用できる材料・技術の限界が厳密にありますが、特に歯の部分を
既製品の中から選び、削って調整して使わざるを得ないということが大きいと思います。
機能性に加えて快適さを求めるなら、保険外のものがおすすめです。
保険外のものであっても、インプラントほど経済的に大きな負担もありませんし、
見た目の美しさや、入れ歯・義歯の安定、噛み心地に優れています。
特に上顎総義歯(総入れ歯)の場合は、使用感や食物の温度感覚の回復に優れたものを作ることが可能です。
コピーデンチャー(複製入れ歯)【保険外診療の場合もあり】
総入れ歯の作製にあたって、ご使用中の入れ歯・義歯を複製し、
そのコピーデンチャーを改造することで、ご使用中の入れ歯の
問題点を解決し、理想的な総入れ歯を作っていきます。
コピーデンチャーの特徴としては
① 完成した新しい入れ歯は、歯科技工士が研磨した物をほぼそのまま使用できます
ので、より快適にお使いいただけます。
② お口の中での型取が半分で済みます。
③ 使用中の入れ歯・義歯をそのまま使っていただけます。
コピーデンチャーは次のような患者様にお勧めです。
① 総入れ歯はあり、満足ではないが削られたりするともっと悪くなるのではないかと
不安で抵抗がある。
② 総入れ歯に満足しているが、咬めるようになるまでに、大変時間を要した。
③ 総入れ歯に満足しており、新しく作る入れ歯も同じような形態にしてほしい。
④ 歯の型採り(印象)が嫌だ。
実際の流れ
1回目 お持ちの入れ歯・義歯を型取り、コピーデンチャーを作成。
噛み合わせになる反対側の歯の型取り。
2回目 問題点を解決するべくコピーデンチャーを改造、調整、お渡し。
3回目 コピーデンチャーの確認、調整.調整を複数回行う場合もあります。
問題なく噛めていればそのままお預かりし、技工所へ送付。
新しい入れ歯・義歯の作製開始。
4回目 新しい入れ歯・義歯の試し合わせ。
(洋服でいえば、仮縫いのような状態です。)
これで問題がなければそのまま完成させます。
5回目 完成した入れ歯・義歯をお渡し。この時、噛み合わせの調整は必要です。
6回目 1週間後に、さらに調整、機嫌よく噛めていることを確認。
保険適用の入れ歯と自費診療の入れ歯の比較
義歯・入れ歯には、保険適用と自費診療の2種類があります。
保険適用の義歯は、お使いになる方の必要最低限のお口の機能の回復を目的としているため、しっかり噛めることや見た目が自然であることまでは考慮されていませんので、比較的安価な歯科用プラスチック素材のレジンしか使用できません。
しかしながら、自費診療の義歯はお口に良く馴染んで、しっかり噛むことができ、見た目も自然な仕上がりになるように、より良い素材と良い設計で作成されます。
|
保険適用 |
自費診療 |
費 用 |
比較的安価 |
高額 |
素 材 |
レジンのみ |
主に金属やシリコンなど |
仕様・構造 |
簡易的な仕様・構造 |
様々な仕様・構造 |
外 見 |
目立ちやすく、他人に入れ歯だと気付かれる |
自然で目立ちにくい |
使用感 |
噛む力が入りにくく、食べ物の温度も伝わりにくい |
しっかり噛めて、食べ物の温度が伝わりやすい |
装着感 |
違和感・異物感を覚えやすい |
違和感・異物感がほとんどない |
お手入れ |
汚れが溜まりやすく、臭いも付きやすい |
汚れが溜まりにくく、お手入れがしやすい |
強 度 |
破損しやすく、修理もしやすい |
破損しにくい |
義歯・入れ歯の種類
リプロデンチャーのメリットは、どなたにも適合しやすいということが第一に挙げられます。
本模型から複模型を起こし、複模型上で成形したベースを義歯床に使用しているため、試適時の咬合高径がそのまま再現できることが特徴です。
もちろん、本模型は傷つけることなく、そのまま残すことができます。
また、内側にハイクリップ模様(凹凸)を付け、表面積を増やすことで、顎の粘膜と密着させるので、ずれにくく、しっかりと噛むことができます。
【リプロデンチャー】
ハイグリップ金属床
粘膜としっかり密着しますので、咀嚼時にもずれず、しっかり噛むことができます。
リプロハイグリップ床タイプ
従来の重合による変形がなく、審美性にも優れ、思い通りに噛むことができます。
【リプロ・シリコン裏装義歯】
リプロ・シリコン裏装義歯
特殊加工を施して、柔らかいシリコンで裏装しているので、痛みも少なく密着度が増します。
リプロ・シリコン裏装義歯
特殊加工を施して、柔らかいシリコンで裏装しているので、痛みも少なく密着度が増します。
【リプロパーシャルデンチャー】
金属クラスプを使用せず、審美性に優れていて、アンダーカットにシリコンを使用するので食べ物が隙間に入ることもありません。
リプロパーシャルデンチャー
無口蓋メタルプレートと併用することで、快適性と
強度を兼ね備えています。
リプロパーシャルデンチャー
両側性の中間欠損の場合、ウィングを最小限に
することができます。
リプロパーシャルデンチャー
アンダーカットにシリコンを使用することで、浮き上がりもなく違和感がありません。
【ブレードティース】
ブレードティース
入れ歯の奥歯に金属のブレード(刃)を装着することにより、より少ない力で硬いものも噛むことができます。
【無痛デンチャー】
無痛デンチャー
治療用義歯と本義歯の2段階で作る痛くないフルオーダーの義歯です。
咬み合わせやフィット感を入念に検証し、あらかじめ咬み合わせを調整してから製作するため、よく咬めるうえに入れ歯のデメリットである「痛み」を感じさせません。
【コーヌスクローネデンチャー】
コーヌスクローネデンチャー
自分の歯に金属冠を被せた土台(内冠)を作り、その土台にぴったり合う外冠に入れ歯を連結させて、内冠に外冠を被せるという二重構造です。取り外しが可能ですが、食事のときなどに簡単に外れることはありません。見た目もよく、安定感があり違和感も少ないのが特徴です。
さらに、残った歯の寿命を縮めることがなく、土台となっている歯にトラブルが起こったときには、内冠部分のみの作り直しで対応可能です。